無料ブログはココログ

« 寸劇「もみじ団地の物語」の出前公演を終えて | トップページ | 「美術館の社会的役割と横浜美術館の挑戦」~横浜まちづくり塾に参加して~ »

2012年10月20日 (土)

伊東大田楽を観て感じたこと

10月6日(土)の夜、伊東市の「伊東大田楽」というイベントを見てきた。夜7時20分頃にスタートし、終了は8時40分頃。場所は、伊東駅近くの特設ステージと市道南口線という道路約50mほど。僕が会場に到着した時には、伊豆の太鼓グループの演奏が始まっていた(大田楽の前座の位置づけか?)

Daidengaku「大田楽」とはどんなイベントなのだろうか? 大田楽とは、「中世日本で爆発的に流行し、やがて衰退した謎の芸能「田楽」を総合芸術家野村万之丞氏がわずかな資料・文献を元に復元し、ワルツやサンバなど西洋のリズムを取り入れる等、数々の新しい試みにより単なる古典の再現にとどまらず、平成の世に作り上げた壮大でダイナミックな野外劇(伊東市観光サイトから」とのこと。

音楽、衣装、舞(踊り)。どれも、世界の多様な文化が複雑にブレンドされ、大変興味深い。なんといっても、地元の3歳くらいの子どもから熟年男女まで、多世代の住民が舞台に登場し、その親戚が、道路の沿道から、自分の子ども・孫・甥姪等の活躍を見守っている姿は、何とも微笑ましい。当日、僕のすぐ近くに陣取ったおばあちゃんが、「あれが私の孫なんですよ」と解説してくれた。地元全体を巻き込んだ祝祭空間が、そこに出現していた。祭から遠ざかっていた僕は、久しぶりに興奮し、帰宅後も、しばらくの間太鼓の音が脳裏に響いていた。

Rimg0043_6

なお、大田楽の内容・構成については、以下のサイトに詳しく紹介されている。
http://act-jt.jp/daidengaku/

このイベントの主催は地元の実行委員会だが、都内に事務所を置くアート集団「特定非営利活動法人ACT.JT」が制作協力している。イベント当日の夕方、商店街の通りで稽古をしている様子を少しだけ見学することができた。そこでは、ACT.JTのスタッフと思われる人物が、熱心に子どもたちに演技指導を行なっていた。

さて、「特定非営利活動法人ACT.JT」とはどんな団体なのか? ACT.JTのサイトには、「(野村)万之丞がキーワードとした「古くて新しい」をテーマに古典芸能や民俗芸能を中心に、老若男女が年齢の別なく楽しめる催しを作り、未来へ向けて「心」を伝える活動を、広く展開しています」とある。さらに詳しい情報は、以下のURLを参照。
http://act-jt.jp/

日本各地に民俗芸能があるが、近年(特に都市部において)、担い手不足が深刻になっている。大田楽を観ながら、日本古来の民俗芸能に新たな要素を加え、地域の老若男女を巻き込んで、現代に蘇生させる「祭・芸能プロデューサー」の仕事が、これから益々重要になるのではないかと感じた。コミュニティアートは、決して劇場やミュージアムというハコの中だけで創造されるものではない。「土の人(伊東市住民)」と「風の人(ACT.JT)」が出会い、路上に瞬間的に現れる「大田楽」という芸能空間こそ、コミュニティアートの本質を体現しているのではないかと思った(あまり自信ないけど)。

美大や音大など、アート系大学を卒業した人材のうち、一定比率の卒業生が、地域に入り、地元の人々と一緒に芸能・祭りを現代風に再生させる業務に就くような仕組みづくりができないだろうか。全国各地でアートNPOが活躍しているが、民俗芸能へのコミットメントをもっと増やせないだろうか。といような妄想をしていたら、急に和太鼓を習いたくなった。見る○○もよいが、踊る○○は、もっと楽しい。

« 寸劇「もみじ団地の物語」の出前公演を終えて | トップページ | 「美術館の社会的役割と横浜美術館の挑戦」~横浜まちづくり塾に参加して~ »

文化・芸術」カテゴリの記事

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 伊東大田楽を観て感じたこと:

« 寸劇「もみじ団地の物語」の出前公演を終えて | トップページ | 「美術館の社会的役割と横浜美術館の挑戦」~横浜まちづくり塾に参加して~ »