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2012年12月12日 (水)

『コミュニティデザインの時代』山崎亮著を読んで(メモ)

今、注目のコミュニティづくりの専門家の最新作。http://www.chuko.co.jp/shinsho/2012/09/102184.html

沢山学ぶことがあったが、その中から、心に残ったパラグラフを引用しておきたい。
○「ひたすら話を聴くこと」の効用(p.184)
「3時間の間、その人が話すことをずっと聴き、適度に相槌を打ったりしてどんどん話を聴きだした。数週間後にその地域に行って他の人に話を聴いたところ、その高齢者が『あの山崎とかいう男は優秀なやつだ』といって回っているという。」

今の時代が要求するコミュニケーション力というと、相手を巧みに説得するプレゼン(自己表出)力が重視される。しかし、本当に大事なコミュニケーション力とは、相手の微かな声(VOICE)に耳を傾けることではないか。小学校から大学、社会人まで、プレゼン力の養成が流行しているが、「聴き、交響する」場をつくることが、コミュニケーションデザインの基本ではないかと思う。
以下、この本で記録しておきたい部分を備忘録的にまとめてみた。
○コミュニティデザインの変化(p.115)
★コミュニティデザイン1.0
1960年~1970年代頃に盛んだったニュータウンの住宅デザインなど、ハード整備によってコミュニティをつくり出すという発想。ドイツの建築家ワルター・グロピウスの「コミュニティの再建」という論文が影響を与えたらしい。1960年代以降の日本のニュータウン開発時に、「コミュニティセンター」「コミュニティプラザ」が併設された。
★コミュニティデザイン2.0
「公共施設のデザインは、将来その施設を使う住民とともに考えるべきではないか」をモットーに、1980年代から始まった動き。代表的な理論家として、ローレンス・ハルプリン、チャールズ・ムーア、ヘンリー・サノフなどがいる。この頃、ワークショップという言葉が日本に紹介されると同時に、「まちづくり」という言葉が流行し始める。こういう手法に「コミュニティデザイン」という呼び名を与えたのが、ランドスケープデザイナーのランドルフ・T・ヘスターだった『まちづくりの方法と技術』(現代企画室)。
★コミュニティデザイン3.0
「第3のコミュニティデザインは、ハード整備を前提としないものであり、第1や第2のコミュニティデザインが掲げてきた目標と同じく、コミュニティ=人とのつながりをつくるための手法だといえる」。「コミュニティエンパワーメント」や「コミュニティオーガニゼーション」「コミュニティワーク」「コミュニティディベロップメント」に近い手法。
そういえば、ヘンリー・サノフの翻訳本が、自宅のどっかにあったなー。言葉は何であれ、コミュニティを住民とともに創るプロフェッショナルが求められている。しかも、飯が食えないといけないのだ。今後も、「コミュニティオーガニゼーション」を担う人材養成につて、模索していきたい。
○プランド・ハプンスタンス理論とは?(p.223)
スタンフォード大学・クランボルツ教授が提唱する「幸運な偶然がおきやすくなるような行動というのがあり、そんな行動を支える基本的な考え方」。それには、「好奇心、持続性、柔軟性、楽観性、冒険心」の5つが不可欠であるという。
○コミュニティデザインに求められる能力(p.227)
・話す(司会進行や講座を担当する)
・書く(議事録や記事や論文などを適切な文章表現で書く)
・描く(図面やスケッチやイラストをササッと描く)
・調べる(適切な事例や地域の資源をすばやく見つけ出す)
・引き出す(対話の中で相手のやる気や想いや意見を引き出す)
・創る(様々な情報を統合化してビジョンや企画を生み出す)
・作る(Webページ、冊子、家具などをデザインしたり組み立てたりする)
・組織化する(人々の特徴を把握して自律的なコミュニティを組織化する)
・まとめる(様々な事象を構造化して報告書等にまとめる)
・数える(スケジュール・予算管理)
僕に一番欠けているのは、やはり、「数える」の部分だ。ソロバンがうまくハジケない。
○シークレットフレンドという技法(p.192)
「シークレットフレンドとは、隠れてサポートする友達」。活動をするなかで困ったことや落ち込んだりする場合に、何気なくその人を支える人を決めておき、プロジェクトが終了した時点で、誰がシークレットフレンドかを明かすという技法。
以前、ワークショップの技法紹介の本を数人のメンバーで作ったことがあるが、この本を読むまで、こんな技法があることを知らなかった。世界には、本当に様々なやり方がある。

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