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2015年2月16日 (月)

日本語教室の新しいカタチ~言語習得からエンパワーメントへ~

今月9日、福村さん(早稲田大学日本語教育センター非常勤講師)にお目にかかった。彼女は、2010年に日野市で『にほんご あいあい』という親子日本語教室を立ち上げ、外国人住民への日本語教育を実践してきた人だ。当初、親子で日本語を学ぶことを目的にスタートした『にほんご あいあい』であるが、5年の歳月を経た現在は、参加者が講師となる料理教室など、「表現と対話」が活動の中心になっているそうだ。

こうした活動を通して、うつ症状に悩む参加者が元気を取り戻すなど、他の地域日本語教室とは異なる効用(?)が見られるという。

『にほんご あいあい』の中で何が起きているのだろうか? 福村さんは、参加者の状態が変化するまでのプロセスを、以下のように図式化している。
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・日本語ができない、日本では何もできない
    ↓
・自己喪失・自己否定
    ↓
・存在意識を取り戻す手段として自分を表す表現活動を行った
    ↓
・自分なりの表現方法が他者に受け入れられ、コミュニケーションができ、人間関係が作られた
    ↓
・エンパワーメント
【表現活動は、表現者にとって、エンパワーメントという意味がある】
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『にほんご あいあい』という場は、言語習得を「目的」ではなく、交流活動の「結果」として捉えているように見える。以下のサイトには、本人自身のより詳しい実践報告が掲載されている(情報誌『自治体国際化フォーラム』に掲載された原稿のPDF版)
http://www.clair.or.jp/j/forum/forum/pdf_294/14_culture02.pdf

福村さんとは、日本語教育をめぐる最新トレンドなど、様々な話題について情報交換をした。後半、地域の人々が気軽に立ち寄れる「居場所」の話になった時、彼女から「将来は、八王子で『コミュニティ・バー』を開きたい。そして、バーの場所を利用して、昼間は、日替わりで各国料理が食べられるレストランを開設したい」という話が出てきた。僕と同様、現在の彼女の関心は、日本語教授法よりも、多様な価値観を持った人が出会い、安心して心のキャッチボールのできる「場づくり」にあるようだ。

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