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2015年11月23日 (月)

濱田健司さん(農福連携について)

●第88回人むすびの場
http://www.terrestrial.co.jp/musubi/
1.テーマ:「農福連携が多様な課題を解決~三方よし、そして四方よし」
2.日 程 : 平成27年11月18日(金) 午後7時~9時
3.会場 :EIJI PRESS Lab(渋谷区恵比寿南1-9-12 ピトレスクビル5F)
4.内 容 : ☆ゲストスピーチ  濱田 健司(JA共済総合研究所 主任研究員) Img_4031_2
●何故農福連携なのか?
(1)農業分野の課題
農産物価格が低迷するとともに、主な担い手が高齢化(80代)し、後継者問題が深刻になってきている。
(2)福祉
都市部では障がい者が働く場として地域作業所をつくったが、賃金が低い。これまで地域作業所は、業務を発注する工場の下請け作業で就労を確保してきたが、企業の海外移転に伴い、下請けの業務自体が減少している。障がい者の自立、地域移行が求められている。
神奈川県平塚市の障がい者就労施設では、リーマン・ショック後、55%しか受注が回復していない。
(3)地域
 商店街の衰退、交通機関の問題、買物難民、医療・介護難民など。
●障がい者就労の現状
205万人の障がい者のうち、40.3%しか就労できていない。特に精神障害の人は就労が難しい。一方、当事者にアンケートをとると、約6割が「働きたい」と答えている。今後の課題は、賃金水準が低いことである。
●農業の現状
農業従事者数は、昭和35年から平成22年にかけて、2.6割減少。耕作放棄地が多く、全耕作放棄地を合計すると、埼玉県の面積を超えている。さらに放棄地は広がっており、滋賀県の面積を抜く日が近い。
●連携のススメ
個の持っているものとを最大限に引き出す。個と個が連携する。新しいものに積極的に取り組むこと。既存の延長ではなく、新しい商品・サービス・システムの創造することが重要である。
●これからの農福連携
・農業サイドからみると、
今後は障がい者が農地管理や食料生産の担い手となる。
・福祉サイドからみると、
 農産物生産での関わりを通じて、障がい者の就労訓練・就労につながる。
・双方が連携すると、
 障がい者が地域の農業を支える。農家等が障がい者の就労を支えるという構図となる。
●事例「福島県の西白河郡泉崎町」
・ケアホーム1箇所、グループホーム2箇所、就労移行支援事業所1箇所、就労継続支援事業所A型・B型、それぞれ1箇所。地域活動支援センター1箇所、直売所1箇所がある。
・川畑地区の直売所+カフェでは、自分たちの生産物以外に、他の農家・施設からの委託販売も請け負っている。170戸の農家が出荷している。
・また、移動販売も週3回やっている。
・チャレンジショップの「にこにこ屋(商店街の空き店舗活用)」では、精神障害のある人たちが「たまご」をつくり、加工も自分たちでしている。鶏卵生産(就労継続支援事業A型)1個30円から40円と、単価は安くない。月間の売上は600万から700万円。
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●障がい者就農による効果
 別添写真の一覧のとおり。
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●農福連携の具体的な事業形態
・障がい者委託訓練
・施設外支援
・企業の特例子会社による障がい者の雇用
●農商工連携から農福商工連携へ
・これからは、農商工連携(→農福連携→)農福商工連携という流れが理想。
・従来は縦割りが多く、カネの切れ目が縁の切れ目になることが多かった。
・農商工連携に「福(福祉)」を入れることで、連携が進みやすい。何故なら、福は人の「想い」なので。人を動かすのは、お金だけではない。
・まず、「想い」からスタートして、後から利益をのせていくという発想が大切。
●これからの地域のあり方
・地域の様々な組織が連携することが重要。それには、行政による支援、人材育成、中間支援組織育成が必要である。
・サービスの受け手が、サービス提供者にもなれるという逆転の発想が求められる。
・かつて農業従事者は、「百姓」と呼ばれていた。百姓は、家や家具をつくり、鶏を育て、農産物の加工もする。マルチタスクをこなす人材だった。
・これまでの「農」は農業のみ。これからの「農」は、林業・水産業に加え、エネルギー産業も含みこむ、より広い射程をもった産業領域として捉えることが重要である。
・これまでの「福」は、障がい者のみをみてきたが、これからは、要介護認定高齢者、難病患者、失業者、生活困窮者(受刑者含む)、元気高齢者、子供などにも「福」の範囲を拡張すべきである。たとえば、788万人が障がい者、600万人が高齢者とすると、日本の総人口の約1割は何らかの社会的弱者と言えるだろう。これ以外に、ひきこもりや受刑者など、働く意欲がないわけではないのに就労が難しい人たちがいる。実際、法務省から受刑者の社会的包摂の相談が来ており、いわゆる障がい者以外に、働き手の範囲を拡張することが求められている。
・三方良し事業(売り手よし、買い手よし、世間よし)という発想が必要だ。
●その他
新潟市では、教育行政が資金提供する「教育ファーム」を運営している。今後は、福祉サイドが資金を提供する「ケア・ファーム」などの可能性もあるのではないか。

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