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2016年3月 6日 (日)

「サードプレイスがまちを変える~わくわくできる居場所づくり~」に参加して

今日は、三鷹市市民協働センターシンポジウム「サードプレイスがまちを変える~わくわくできる居場所づくり~」に参加。
https://www.facebook.com/events/201538603531958
 
●日時:2016年3月5日(土)午後1時30分~5時
●会場:三鷹市市民協働センター
●主催:NPO法人みたか市民協働ネットワーク
●趣旨:
ここ数年、つながりが薄くなったコミュニティを再生する取り組みとして、サードプレイス(=地域の居場所)が注目されています。個人が自由に出入りでき、多様な人々がつながって豊かな関係性を構築するための地域の居場所をどう作っていくか、先進的な事例から学びたいと思います。
≪ゲストスピーカー≫
◆秋田光彦さん(應典院 住職)
 浄土宗大蓮寺住職、應典院住職、パドマ幼稚園園長。
1955年大阪市生まれ。明治大学文学部卒業後、情報誌や映画製作などにかかわり、1997年に大蓮寺創建450年記念事業として劇場型寺院應典院を再建。以後20年にわたって、市民、コミュニティ、地域資源のあり方を具体的に提案し、実践し、市民活動や若者の芸術活動を支援してきた。また、人生の末期を支援するエンディングサポートをNPOと協働して取り組むなど、劇場寺院應典院を拠点として、仏教、アート、まちづくり、コミュニティケアなど、「協働」と「対話」の新しい地域教育にかかわる。相愛大学客員教授。
 著書に『葬式をしない寺−大阪・應典院の挑戦』(新潮新書)、『今日は泣いて、明日は笑いなさい』(メディアファクトリー)、『仏教シネマ』(文春文庫/釈徹宗氏との共著)等。 近著に責任編集を担当した『生と死をつなぐケアとアート』(生活書院)などがある。
◆堀内正弘さん(シェア奥沢 オーナー)
 1954年7月東京生まれ。東京芸術大学、東京大学大学院、イエール大学大学院、東京農業大学大学院修了。建築家、コミュニケーションプランナー。多摩美術大学デザイン学科教授、NPO法人土とみどりを守る会代表理事。
 環境負荷を低減させ、心豊かに暮らせる都市環境を実現するために、都市計画、市民活動などの多様な経験を活かし「顔の見える小さな集まりから」の実践に取り組む。クールシェア、ウォームシェアの提唱者。2013年7月7日、長らく空き家になっていた築80年の自宅の別棟を改装(世田谷区の「空き家等地域貢献活用モデル事業」に採択され、助成を受けた。)して、私設のコミュニティ・スペース「シェア奥沢」としてオープン。地域に眠るリソースを活用した、市民の手による地域のコミュニティ拠点づくりのモデルとして、注目を集めている。
◆長田英史(おさだ てるちか)さん (NPO法人れんげ舎 代表理事)
 1972年神奈川県茅ケ崎市生まれ。和光大学経済学部経営学科卒業。1990年、「子どもの居場所・あそび場づくり」の市民活動に学生ボランティアとして参加し、卒業後は就職せず、それを仕事にする。いまも子どもたちにかかわる「場」を守りながら、長年の経験を活かして、他団体へのコンサルティング、講演、執筆などを精力的にこなしている。
 1996年に任意団体としてれんげ舎を設立、2002年にNPO法人化。2003年、地域の人との接点と財政基盤強化のため、カフェ「金魚玉珈琲」を出店。2010年より、自分たちの活動経験のなかで、他の個人や団体でも活用できる要素を「場づくり」という観点からコンテンツ化し、「場づくり支援事業」を本格化。いわゆる中間支援組織ではなく、自らも現場で活動する「プレイヤー」として、 「場づくり」の哲学とノウハウを共有し続けている。「場づくり」をしている人、始めたい人への情報提供のために、メルマガ「場づくりのチカラ」を無料配信している。http://bazukuri.jp/
●当日メモ
1、第1部
●堀内
シェア奥沢では、まちサロン(月2回)、集まって食事食べるだけ。
世田谷区の地域包括事業として、シェア奥沢が、住民主体型デイサービスを始める。
本来のシェアとは、持っている物を使ってもらう、余った物や労働をシェアするなど
○空き家活用の話
人 + 仕組み(シェア・マネージャーの必要性)
場 + 共通の関心事
○風の人 土の人
○共通の関心事
○1階→2階(共通のテーマあり)→3階(イベントやる→リビング・ラボ)
3階部分は、実践コミュニティ。2階、3階部分をつくる仕組みがないのではないか。
○見守る人
○ハレとケ(ただ食べる、コ・ワークなど)
○情報は、Share Hubで検索すると出てくる
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●秋田さん
日本の江戸時代、俗なる世界と聖の世界は、地続きだった。
そして、その後、大阪はどんどん開発されたが、開発で取り残された場所があり、そこに應典院を再建した。
今は、葬式をせず、集会施設として利用している。年間3万人。若い人が多く集まる。
○1995年 阪神・淡路大震災とオウムが出発点
○布教を目的としない公共空間としてのお寺
○葬式をしない市民参加型のお寺
最近は、臨床宗教士という言い方ある。
ドラッカーの本の中に、「非営利組織の出発点は、東大寺」という文章がある。
お寺は、「学び、癒し、楽しみ」の源流である。今の言葉に、翻訳すれば、教育、福祉、文化という領域となる。
お寺の事業では取組が難しいと考え、お寺とNPOの協働という形にした。
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今、当事者研究をしている。また、表現活動のサポートをしている。
臨床哲学カフェもその一環。
○無縁・格差の時代と若者たち
バブル経済崩壊後、若者たちが社会的弱者として位置づけられた。
○縁・場と関係性の仏教
今の社会は、利潤を追求することが唯一の目的になっている。
無縁所=アジールとしてのお寺(西洋のアジールは山奥にある。日本の無縁所は街中にある)
有縁・・・国家、無縁・・・お寺
表現とアートのコミュニティをつくっている。「場づくり=表現づくり」と考えている。「私と世界の関係」を読み直していく。
今、世の中は「わかり易さ」が重視されるようになっているが、現代アートは、わけがわからない。でも、「わけわからない」からダメなのか? カオスの中に自分の身を置くことの重要性があるのではないか。わかり易いことに、価値が置かれすぎている。
例えば、伝書鳩を飛ばすワークショップなどをやっている。
○カオス・まちの縁側
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都市という場は、ターゲットを絞っていく。効率的ではあるが、利用者が、自分の在りようを考えることができない。表現者としての「気づき」がない。
 
○「開く」原理と「閉じる」原理
拡張するだけでなく、もう一辺、個人に立ち返ることも必要ではないか。「息を吸う。閉じると」いうことの重要性。個人の内面性を見つめる。
千葉大学の広井良典さんが、
○コミュニティ・自然・スピリチュアリティということを言っている。
死生観を育むことが大事
今、「生前に申し込むお墓」というコンセプトで、「生前の相互交流」という事業をやっている。お墓には、名刺をもっていけないんですよ。
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○多死社会と単身社会
○多くの人が無縁になる。
○死後の不安と終活ブーム
○血縁から結縁へ
○支えあうコミュニティ
宗教的結縁、社会的結縁の図式
 
○お寺とNPOの生前契約
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2、第2部:シンポジウム
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●長田
堀内さんに質問があります。話の中で出ていた「土の人」、「風の人」とはどういう意味でしょうか。
●堀内
この言葉は、記憶があいまいだが、確か柳田国男の言葉だったと思う。要するに、「土の人」とは、町内会など土地の人。「風の人」とは、外からやってくる人を指す。共奏キッチンなどは、「風の人」で、「風の人」同士が出会うこともある。その出会いによって、実践コミュニティが生まれる。
●長田
「土の人」、「風の人」は、民俗学から来ているということでしょうか。さて、秋田さん、シェア奥沢の事例はどうですか?
●秋田
シェア奥沢の写真を見ていると、「飲み食い」の場面が多かったという印象を受けた。
昔と比べ、今は場のサイズがミニマム化している(つきあいの範囲が狭い)。人の関係の密度が濃くなりすぎていて、人と人が緊張関係に置かれている。
「結縁」は、仏教用語としては「仏(死者)と私」の関係を指す。
今の私たちの暮らしは、死者がつくってくれた遺産で成り立っている。「死者の権利・死者のデモクラシー(黙っている死者い伺いを立てる)」という発想が必要だ。
「無縁」という言葉は、NHKの番組で広がったが、仏教用語とは反対の意味。本来の「無縁」とは、絶対平等の世界のことを言う。すべてのものを包み込むという意味である。市民の権利をつくりあげていくときに、「死者の声」の入れるということが忘れられている。
場づくりには、主催者とのほどよい距離感が大事。「立ち合い続けるが、過剰に介入しない姿勢」と言ってもよい。
●堀内
自分の役割は、場を「見守る」こと。最近のファシリテーターは、人に無理にでも話をさせる促進役となることが多いが、「関わらない人の存在を認めて、その人の場所をみつける役割」が大事ではないか。
今のテレビ番組は、わかり易さが重視されすぎる。
●長田
ファシリテーションが大流行り。子どもの集まりに来ているのに、参加しないで、側で寝ている子がいる。これも参加の一つの形態。ファシリテーションには、もっと多様な参加の形態を許容し、認めていくことが大切。
●秋田
フィンランドのヘルシンキにプレイング・ホール(祈りの場所)という公設の場所があると聞いた。ここでは、佇む、ただただ沈黙することが大切にされている。
To have より To be(存在していること) をケアするということの重要性。
都市は、生産・消費だけで動いている。NPOは、この原理でない部分を世俗社会に伝えることをもっと重視すべきだ。意思をもった人があつまり、その「思い」を語っていくことが大事。
●堀内
大人はカフェという場に行ける。しかし、子どもには大人でいうカフェ(居場所)がない。以前は、空き地(秘密基地)があったが、今はない。
今は、すべてが合理的であることを求められ、遊びや余地がない。合理的に定義されていない空間が大事だ。子どもの居場所は、大人の居場所以上に必要である。
●長田
離島での人間関係は、密度が濃すぎる。ある男子生徒に聞いた話。自分が失恋した話が、翌日には、母に知られていたという。
一方、都会の子どもたちは忙しい。長い時間をかけて何かに取り組むことが難しい。細切れ時間しかとれない状況にある。
●秋田
以前、サロンを月2回やっていた。3年続けたが、やめた。それは、参加者の中に権力者が出てきたからだ。常連が居ついてしまうことで、場がダメになってしまった。。
居場所が心地良すぎることで、結果として他者を排除してしまうことがある。場は、時として排他的になることがある。
ソーシャル・キャピタルには、ボンド型(結束型)とブリッジ型(橋渡し型)の二つがある。
絆は(結束型)で、縁は(橋渡し型)。絆でなく、縁が必要では? 僕は、「居場所」でなく「つなぎ場」という言葉を使っている。
●堀内
コ・ワーキングや勉強会の後の交流会が、自分にとって「つなぎ場」となっていると思う。
●秋田
僕も、場づくりのアレンジメントはやっている。「審判」ではなく、「場所のメンター」をしている。座席配置などにも気を配っている。
●堀内
イベントの主催者は、コンテンツだけで一杯一杯だ。シェア・マネージャーは、気配りをする。気が付かないように動く。
●秋田
昔、映画をつくっていた。プロデューサーは、制作費など明日以降のことを考えている。監督は、撮影のことに没頭している。役者は、今ベストな演技をすることに没頭している。寄内さんは、プロデューサー役ではないのか。
●堀内
自分は、プロデューサー役とは思っていない。むしろ、照明や道具係りなど、細かいところに気をつかっている。コンシェルジュに近い存在。以前、自分は、コンサルタントは、コンシェルジュを目指せという文章を書いたことある。
●秋田
自分は、自身をプロデューサーだと思っている。何故ながら、一貫して、場に責任を持つ立場だからだ。映画でいうところの「寄り(アップ)」と、「引き(俯瞰)」の両方が必要である。
●長田
本来、癒しは、消費とは無縁だった。しかし、癒しという言葉が流行し始めると、癒しが消費されるようになった。癒しは、向こうから訪れるものだ。しかし、今、癒しは、消費社会に絡めてとられている。
●堀内
「スピリチュアリティ」は、本来、お金の論理ではない。オルデンバーグがいうサードプレイスとは、付加価値を指し、お金とは関係ない。お金儲けが目的な場は、サードブレイスではない。
●秋田
自己表現を、社会に対して伝えていく。「わかる人だけにわかってもらえば良い」という発想ではなく、表現を社会に開いていくことが大切。
●長田
オウム事件直後は、「自分の内側にある思いを表現するだけで、なんか怖いね」と言われた。今、コミュニティ・カフェがトレンドだが、形だけが先行している気がする。
●堀内
場所がなくても、自分にとっての居場所はできる。例えば、海外には、シアター・カンパニーが先にあり、後から劇場ができた。最初に活動ありきで、劇場が先ではない。
●秋田
居場所づくりに邁進しながらも、日本人は必ず、合理性を求めてくる。説明とか納得ということに、すべて世界が覆われないことが大事。「ためらう」とか「佇む」を内側に抱え込む覚悟が必要。もう一つのスピリチュアリティを保ち続けることが重要だ。
●長田
シェア・マネージャーには、どういう心がけが必要ですか?
●堀内
女性は、場の運営がうまい。男性は、どうしても合理性を追求しがち。シェア奥沢の利用者の女性から、学ぶことが多い。色々な主体が、相互に関係しながら自己組織化していくこと。奥沢の場合、シェア・マネージャーは一人ではない。
●秋田
自分は、相談が受けたら、「できる、できる。やったらいいよー」と言いながら、その人の肩を叩く。「見てくれている人がいること。励まし」が必要。もう一つは、コミュニケーションの場を確保していくことが必要だ。そのためには、自分自身の関心の枠を広げておくこと。とにかく、「できる、できる。大丈夫。見てるから。」ということ。
●長田
「なんだかよくわからない」を大切に! 「ことばにならないこと」を大事にしよう。
●秋田
主体的な「問い」をどれだけ連続させるか。宗教、哲学。「問い」の強度を高めていくこと。そして、「わけわからないことが大事」。
朝ごはんを毎日家族で食べること。毎日、ラジオ体操を繰り返すこと。こうした些細なことを毎日愚直なまでに繰り返していくことが、案外重要だ。別の言い方をすれば、それは、様式や儀式。型を持続させるとうこと。こうした様式の再興は、私たちが捨てたものを回復するという意味がある。
●堀内
シェア奥沢の試みは、人のためにでなく、自分のためにやっている。自分は、ラッキーだった。縁がうまく結ばれたのだと思う。ご縁を重ねていく。発信していると、縁は必ずやってくる。心がけが大事。
4月からデイサービス(デイサロン)を始める。

2015年12月14日 (月)

大和市「共育セミナー」に参加して

大和市民活動センター主催の第68回共育セミナ―『“気づき”“出会い”から“新たな活動”を~まちづくりワークショップ』
●日時:12月13日(日)13:30~16:30  
●会場:大和市勤労福祉会館 3Fホール
●内容
★事例紹介
1. 「トイレ」と「龍」から 私たちの活動は広がった。    
   大和市の観光資源を発掘・企画する会 上田康史さん
2. 「レコード」と「コーヒー」が 人と地域をつなげた。   
   今宿地域ケアプラザ(横浜市旭区) 地域交流コーディネーター 真鍋敦さん
3.「映画誘致」と「プロレス」が 街を元気にした。      
   社会福祉法人光友会(藤沢市) 理事 杉下由輝さん
★ワークショップ(2人→4人→8人と対話を広げる沼田さんオリジナルのOTM法)

事例発表の中では、今宿地域ケアプラザ(横浜市旭区)地域交流コーディネーター・真鍋敦さんと、 社会福祉法人光友会(藤沢市) 理事 杉下由輝さんのお話が興味深かった。特に、杉下さんの「仕組みづくりと仕掛けづくりは違う!」という話が印象に残った。例えば、全国どの地域にも、社会福祉協議会という組織がある。しかし、“光る”活動をしている地域は限らている。注目を集める活動実践の背後には、必ず優れた「仕掛け人=コーディネーター」がいる。社協という組織を全国一律につくることは「仕組みづくり」。その組織に魂を吹き込み、優れた実践を生み出すのが「仕掛けづくり」という感じだろうか。

●真鍋敦さんの話
・眞鍋さんは、5年ほど、社会福祉法人漆原清和会のスタッフとして、横浜市今宿地域ケアプラザで、地域交流のコーディネーターとして仕事をしている。
・地域ケアプラザは、地域包括支援センターとデイサービス、居宅介護支援以外に、地域活動交流という機能を持つ複合福祉施設で、高齢者だけでなく、子どもから高齢者まで幅広い層をターゲットとしている。
・しかし、実際に、地域活動交流に参加するのは、女性の高齢者ばかりで、男性はほとんど地域ケアプラザに足を運ばないそうだ。こうした現状をみて、何とかしたいと思った眞鍋さんは、参考になりそうな事例を探した。訪問地は、高齢者住宅サービスセンター松渓ふれあいの家(マージャンで高齢男性を呼びこむ事例、東京杉並区)、代官山ツタヤ、ジャズ喫茶「野毛・ちぐさ」の3箇所。
・訪問後、レコード鑑賞をしながらコーヒーを飲み、そこで地域の人々が交流する場づくりを構想し、そのアイデアを実行に移していった。
・こうして誕生した「くつろぎカフェ」は、今宿地域ケアプラザ多目的ホールを会場に、毎月第2水曜日に開催。現在では、100名近い参加が来訪するため、ホールだけでは手狭になり、全館をカフェ空間にあてているという。
・レコードのストックは1000枚を超え、まだまだ増える傾向にある。
・参加費は200円(コーヒー代として200円徴収するのではない)。
・当日は、喫茶店のマスターに来てもらい、本格的なドリップコーヒーを出している。インスタントコーヒーではなく、本格コーヒーが飲めるというところがミソ
・現在は、喫茶店のマスターが講師となり、サイフォンコーヒー、ドリップコーヒーの入れ方講習会を開催している。
・講習会の修了者は、地域の5つの公民館が持ち回りで開催する「サロン」にボランティア講師して派遣され、コーヒーをいれている。
男性の「未」来館者を地域ケアプラザに呼び込むため、レコード鑑賞と本格ドリップコーヒーが飲める「カフェ」というアイデアを具体化した眞鍋さん、ニーズを探り、仕組み・仕掛けをつくる「仕掛け人」だ
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●杉下由輝さんの話
・杉下さんは、社会福祉法人光友会の理事・就労支援部長をされる傍ら、県内各地のフィルム・コミッションの顧問。また、プロレスラー「諏訪魔」のファン組織、諏訪魔会の事務局長も務める。
・プレゼン冒頭、「仕組みづくりと、仕掛けづくりは違う!」というメッセージから始まった
・自治体やNPOが様々なイベントを開催するが、人が集まらなければ意味がない。
・何故人が集まらないか。それは、仕組みづくりだけで、仕掛けづくりがないからだ。
・例えば、素材にこだわった美味な料理を出すお店があっても、それだけでは人は集まらない。人がこの店に足を運ぶような「仕掛け」が必要なのだ。
・北海道の富良野は今では有名だが、ドラマ「北の国から」が放映される前には、無名の町だった。テレビ映像を通じて、視聴者の頭の中に、富良野を舞台とするストーリーが残る。そして、あそこに言ってみたいという気持が起こり、実際に訪問する。
・海外では、「冬のソナタ」が典型例。冬ソナ放映後、日本からオバちゃんたちが、ロケ地に殺到した。
・大和市の事例としては、数年前、上戸彩が出演した「昼顔」という映画で大和がロケ地となったことがあった。台湾には上戸彩ファンが多く、映画放映後、台湾から少なくない数の上戸彩ファンが大和のロケ地を訪れる効果があった。
・また、現在大和市では、映画の市民エキストラを募集するなど、まちをあげて市外・県外・海外からの訪問客増を目指している。
・さて、B級グルメで有名な富士宮市は、映画のロケ地となった際、撮影関係者のロケ弁(弁当)を、すべて「富士宮やきそば」にした。これにより、映画出演者の間で「富士宮やきそば」の名前が広がり、テレビ局の方から取材依頼が来るようになった。こうしたちょっとした「仕掛け」が重要なのである。
富士宮市の場合は、「映画のロケ地にB級グルメ」という組み合わせで、知名度をあげていった。
・さて、もう1つの事例は、プロレスのチャリティ・イベントに関する仕掛け。神奈川の地元レスラー・諏訪魔選手の入場行進の際に、大和市のゆるキャラ「ヤマトン」を登場させることにしたところ、「ヤマトン」が一挙に注目され、ゆるキャラのランキングも150番台から一気に30番台まで上昇したという。
・なお、このチャリティプロレス興行では、広告料をいただいてパンフレットをつくった。実際に広告料を出してくれたのは、市内の企業や商店は数えるほどで、関西や沖縄など、県外の企業等が広告料を出してくれた。マーケティングをする時は、狭いエリアにとらわれず、大和市とのつながり、広域で考えるべきだ。今は遠くに住んでいても、大和市が故郷だったり、自分の親が大和市出身だったりと、色々な関係性がある。つながりは、国内だけでなく海外にもあるのだから、もっと広い目でPRを考えるべきだ
・さて、「マッサージチェアの法則」というのを聞いたことがあるでしょうか。20歳台の女性客にマッサージチェアがよく売れるのを知ったマッサージチェアの営業マンが、花柄など若い女性客好みのチェアを開発したところ、全く売れなかったという話。売れなかった理由は、チェアを買うのは若い女性だが、実際に使っているのはその両親だという実態を、営業マンが知らなかったからだ。購買者=利用者とは限らない。こんな簡単なことに営業マンは気づかなかったのだ。
「マッサージチェアの法則」は、「自分目線ではなく、相手目線」でモノを見ることの大切さを教えてくれるエピソードだ。
・最後に、「カマスの法則」。カマスは魚。広い水槽にカマスをいれ、カマスの餌の小魚を時々与える。ある時、カマスと小魚の間にガラスの仕切りを入れると、しばらくはカマスは餌をとろうと小魚に近づくが、何度トライしても餌にありつけないとわかると、次第にカマスは餌をとろうとしなくなる。この状態で、ガラスの仕切りを抜いても、、カマスは小魚をとろうとしない(実際にはとれるにもかかわらず)。では、こうなった状態で、再びカマスが小魚をとるようにするにはどうしたらいいか。
・それは、新しいカマスを一匹水槽にいれてやればいい。新しいカマスは、ガラスの仕切り経験をしていないので、本能にしたがい小魚をとる。それを見た、既存のカマスたちも、小魚をとることを思い出す。「カマスの法則」とは、常識にとらわれ、新しいことに挑戦しなくなった集団に、新しい血をいれてやると、再生する可能性があるということ。
・たとえば、壁にぶつかって停滞している市民活動団体の中に、新人が入って白紙の状態で何かに挑戦しようとすると、古株のメンバーが、そんなことはすでに経験ずみ。うまくいくはずがないと言って否定してしまうような場面を想起して欲しい。やる前から駄目と決めつけるのではなく、ゼロベースで何かチャレンジしてみる。この動きをつくるうえで、新しい人の参加というのはとても大事だ。

2015年10月17日 (土)

「サステナビリティ円卓会議~日本における持続可能な開発目標を考える~」参加メモ

2015年10月14日、「サステナビリティ円卓会議~日本における持続可能な開発目標を考える~」に参加した。
○リード文
今年9月25日に国連総会で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)について、理解を深め、今後国内でどのような政策や活動が期待されているか、各地での取り組みにどのような関係が生じるか、持続可能な地域づくりに向けた意見交換を、関係する主体を集めて行います。
【開催概要】
○日 時:2015年10月14日(水)15:00~17:00
○会 場:GEOCセミナースペース(東京都渋谷区神宮前5-53-70 国連大学ビル1F)
○対 象:NGO、企業、行政、研究者、ポスト2015開発アジェンダ/SDGsに関連する方
○参加費:無料
○主 催:NPO/NGOネット、一般社団法人 環境パートナーシップ会議(EPC)
○協 力:地球環境パートナーシッププラザ(GEOC)
プログラム
1)開会
2)国連総会報告(外務省地球規模課題総括課 田村政美課長)
  SDGs実施に向けた国内外の動きについて(環境省国際連携課 瀬川恵子課長)
3)質疑応答
4)ステークホルダー会議
 自治体:環境自治体会議環境政策研究所所長 中口毅博氏
 NGO:日本NPOセンター/NNネット 新田英理子氏
 労働組合:連合 国際局長 鈴木宏二氏
 ユース:慶應義塾大学博士課程1年 カン・ソンウ氏
 他のセクターからも数名の出席を予定しています。
 進行:今田克司氏(日本NPOセンター)&星野智子(EPC)
5)閉会
【スピーカーのプレゼン内容メモ】
●国連総会報告(外務省地球規模課題総括課 田村政美課長)
・SDGs(持続可能な開発のための目標)は、MDGs(ミレニアム開発目標)が2015年に終わるのに伴い、2016年から2030年の行動目標を定めたもの。国連加盟国すべてが参加していることと、法的拘束力があることが特徴である。
(何故SDGsなのか)
・MDGs(ミレニアム開発目標)の期間で、貧困は19億人から8.4億人に減り、HIVやマラリア患者も削減することができた。一方で、新たな格差問題(一つの国の中で格差の広がり)が生じるとともに、アクターが多様化してきている(企業や市民社会の役割の増大)。
・MDGsは、専門家主導で作られたが、SDGsは、全加盟国が参加してつくられた。
・こうした状況を受け、SDGs(持続可能な開発のための目標)では、MDGs(ミレニアム開発目標)を「深堀り」することが目標となっている。
(どのようにして作られたか)
・今年1月から、各国間で交渉が始まった。2016年3月までに、評価指標(インディケーター)が決定される。
・しかし、実施のハードルは低くない。課題は、ファイナンス(資金調達)と各国でのモニタリング体制の二つ。
・もう一点は、新しいグローバル・パートナーシップを構築すること。具体的には、先進国も途上国も。政府も企業も市民団体も、ということ。
●SDGs実施に向けた国内外の動きについて(環境省国際連携課 瀬川恵子課長)
・SDGsの特徴は、先進国VS途上国という二元論ではないということ。
・政府としての課題は、国内の計画のどう反映させるのか。環境省分野で言えば、第5次環境基本計画にSDGsを盛り込み、閣議決定を受けることが必要となる。個人的には、気候変動やエネルギー計画の進捗状況が遅いというように感じている。
・「持続可能な消費と生産」が重要だと考えている。例えば、食品ロスをいかに減らすか。
・もう一つの課題は、個別施策が個別ターゲットに向かっているかを点検すること。
・ニューヨークでは、アメリカのオバマ大統領、中国の習近平のスピーチに着目した。
・オバマ大統領のスピーチでは、アメリカは、何か施策展開する時に、必ず二つの領域を関連づけることに腐心している。例えば、女性政策と教育政策。女性のエンパワーメントによって家庭内の収入が増えれば、結果として子どもの教育の充実につながるというように。
・中国の習近平のスピーチでは、これまで、経済発展第一で環境問題の解決に積極性が見られないと思われていた中国が、途上国同士の協力、低炭素社会・循環型社会の実現という理念を強調していた。
・日本の安倍首相は、3Rについてアピールした。日本では3Rは有名だけ、世界的にはまだ共通理解がされているとはいえない。
・サイドイベントに参加してわかったのは、involvementでなくengagementという表現が多用されていたこと。多くのアクターがより積極的に参加するということが強調されていた。
・UNDPやUNEP、HABITATという国際機関レベルでのパートナーシップではなく、小規模なレベルでの多様なアクター間のパートナーシップの重要性が指摘されていた。
・今環境省で進めているのは、計画、施策の振り返り、国際協調(国際貢献)の3つだ。
いずれも、ステークホルダーズと相談しながら進めていきたいと思う。
●環境自治体会議環境政策研究所所長 中口毅博氏
・ローカル・アジェンダ作成は、神奈川県、京都市など、かつて先進的な試みもあったが、現在は下火になっている。
・中口氏は、神奈川県がローカル・アジェンダを作る際に、コンサルとして関わったが、最終的に、モニタリング指標を策定するところまでいかなかった。
・今、自治体は、WHYという三重苦の状態に置かれている。W=わからない、H=ひとがいない、Y=予算がない。
・地方創生というプログラムをうまく活用すれば、資金面はクリアできる可能性がある。
・日本では、ローカル・アジェンダは根付かなかった。今後は、ローカル・アジェンダという言葉にこだわらず、実をとる戦略がよい。
・なお、持続可能性という時、環境政策だけでは狭い。
・自治体の既存の計画(総合計画や地域福祉計画など)に、SDGsの要素を入れていくという発想が必要ではないか。
●NNネット、日本NPOセンター 新田英里子氏
・市民の声を代弁するのがNPOの役割。「共感と参加」がキーワード。
・市民社会全体のネットワークをつくることが重要
・今後、NNネットは、地域勉強会を開催する。
・SDGsは、異なる分野のNPOが対話をする際の共通言語を提供することができる。
●連合国際部 鈴木宏ニ氏
・SDGsの17の目標のうち、11項目を労組としては取り上げる。
・中でも、ディーセントワークの実現が最大の眼目。
・雇用率ではなく、雇用の質を高めることが重要である。
・社会保障の「床」をつくることが必要だ。それには、トリクルダウン理論では駄目。
・今後は、南南協力が必要。キーワードは、人材育成。
●慶應義塾大学博士課程1年 カン・ソンウ氏
・洞爺湖サミット時に来日し、通訳をしていた。気候変動に関心がある。
・学生は、卒業すると活動から遠ざかってしまうという課題がある。
・また、最近の学生は、就活重視で、社会問題に関心が薄い傾向がある。
・SDGsは、市民活動のチェックリストとして活用できるのではないか。環境政策に関する学部生だけの討論でも、課題が30以上あげられた。

2013年12月 8日 (日)

「コミュニティオーガナイジング入門」参加報告

●日時:2013年12月1日(日)14時~17時

●会場:東洋大学白山キャンパス1号館

●主催:YEN(環境分野で活動する産官学民関係者のゆるやかなネットワーク)。

●講師:鎌田華乃子さん(コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ・イン・ ジャパン実行委員会代表)

http://communityorganizing.jp/

ハーバードケネディスクールに留学しMaster in Public Administration(行政学修士)のプログラムを修了した鎌田華乃子さんが講師となり、「コミュニティオーガナイジング」の5つのプロセスのうち、主にバグリックナラティブの技法について解説。最後に演習を行った。

話を聴きながら、DST(デジタル・ストーリー・テリング)との関連が気になった。というのは、「物語の力が人を動かす」という点で、両者に共通性を感じたからだ。DSTの概要については、以下のURLを参照。
●デジタル・ストーリーテリング(DST)研究所
http://www.learning-v.jp/dst/


【鎌田さん発言要旨】

自分より体の大きな魚にいつも追いかけられ、脅威を感じていた小魚「スイミー」が、互いに協力し、一体になれば、大きな魚を凌ぐパワーを発揮できるという、絵本「スイミー」の話に触れた後、「コミュニティオーガナイジングは、スイミーの話とどこか似たところがある」というイントロからスタート。

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以下は、当日の講義要約。
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現在、米国の大統領となっているオバマさんは、かつて、コミュニティオーガナイザーだった。 

私(鎌田さん)は、ブルックリンにオフィスのあるNPOでインターンをしていたことがある。今日はまず、そのNPOで経験した、コミュニティオーガナイジング体験について話をする。

 

インターン先のNPOは、米国の市民権を持たない移民労働者に対して最低賃金を守らないスーパーマーケット「Associated Market」への「不買キャンペーン」を展開していた。近隣住民に、移住労働者が抱える課題とキャンペーンの趣旨を丁寧に説明したところ、自宅の窓に不買を推奨するステッカーを貼ってくれる住民が現れるなど、徐々に運動が広がっていった。その結果、スーパーマーケットの売上が激減し、スーパーの経営者は、労働者と最低賃金を守る雇用契約書を交わすことになった。

 

二つ目の事例は、ニューヨーク市の警察官が、白人以外の人種に対して頻繁に職務質問を繰り返し、人権侵害をしている状況を憂慮し、こうした現状を変えるためのキャンペーン活動を展開したことである。

 

上記の趣旨に賛同した約50団体が連合を形成し、「Stop & Frisk」というキャンペーンを展開した。市会議員にロビー活動をしたり、次期市長選の候補者を招いてのディベート大会を開催するなどした。その結果、幅広い市民層から支持を受け、不要な職務質問行為を減らすことに成功した。

 

さて、米国以外の国に目を向けると、英国では、政府がコミュニティオーガナイザー養成プログラムを開催している。その理由は、政府の財政事情が悪化し、十分な住民サービスを提供できないため、コミュニティの問題は地域住民自身が解決せざるをえない状況になっているからである。

 

さて、コミュニティオーガナイザーは日々何をしているかというと、ミーティングを開いていることが多い。私(鎌田さん)の場合は、高校生をサポートする活動をしていたこともあり、普段は、高校生とミーティングをしたり、事務処理をしたり、助成金申請書を書くなどの作業をしていた。

 

NPOの財源は、約7億で、そのうち5億円は助成金。ロックフェラー財団等の大型財団以外にも大小様々な財団から助成金を受給している。助成金以外には、市からの補助金1億円と事業収入など。企業から助成金をもらうこともある。J&Pモルガンから助成金を受けたことがある。

 

なお、職員の給料は、新卒者年収が約350万円。数年経験を積むと650万円程度。さらにディレクターになると1千万円程度もらえる。NPOが雇用する弁護士の給料も、それほど悪くない。やりがいを求めてNPOで働く弁護士もいる。なお、財団が助成する対象経費には、団体運営費(人件費含む)とプロジェクト助成費の二つがある。

 

コミュニティオーガナイザーは、専門分野に対して助言するのではなく、地域に入っていて住民の声を聴きながら地域課題を発見していく。コミュニティオーガナイザーになるためには、約2週間の研修を受けた後、現場で1年間くらい実地訓練を積むことで、一人前になるプロセスを踏む。研修の内容は、住民との信頼の形成やファシリテーション技法など。

 

ケネディスクールでコミュニティオーガナイジングを教えるガンツ先生によれば、コミュニティオーガナイジングの要素は次の5つになる。

1,パブリックナラティブ(ストーリーで関心喚起)

2,関係構築(信頼関係の構築、一対一の関係が重要)

3,チーム構築(コアになるチームをつくる)

4,戦略立案(リソース把握、関係者分析〈賛成・反対者の地図作り〉、変革仮説構築、バリア特定、フレームワーク提供)

5,アクション(やる気を引き出す、運動は楽しくないと続かない)

 

コミュニティオーガナイジングの成功・失敗を計る指標は、プロジェクトの目的によって異なる。サービス提供型のプロジェクトなら、利用者数や利用率の増加。社会変革型のプロジェクトなら、議会で通過した法律の本数など。

 

パブリックナラティブとは何か。

あなたはストーリーの力を信じるか? 私(鎌田さん)は、留学当初、ストーリーの力をあまり信じていなかった。しかし、コミュニティオーガナイジングの授業で、パブリックナラティブを書いているうちに、次第に理解するようになっていった。

 

今年、ガンツ先生をゲスト講師として、東大でコミュニティオーガナイジングの授業があった。私(鎌田さん)は、アシスタントを務めることになり、見本を見せるために、自分のパブリックナラティブを書くことになった。最初は難しかったが、周りのサポートを受けて何とか完成させた。

 

パブリックナラティブのプレゼンの最後に、今年12月にガンツ先生を招聘してのワークショップ企画があるので、興味のある人は手伝って欲しいというメッセージを発したところ、半数以上の学生が「手伝いをしたい」と声を上げてくれた。この時、ナラティブの力を感じた。

 

授業の中で、パブリックナラティブは、リーダーシップの1つだと習った。コミュニティオーガナイジングにおけるリーダーシップとは、「動詞である」と言われる。不確実な状況の中で、他の人が動ける状況をつくり出していくのがリーダーシップといえる。

 

人は、物語に囲まれて生きている。人は、小さい頃から、両親や教師、友人など、様々な人々からの沢山の経験を聞いて、成長する。物語には、人を動かす力が潜んでいる。

 

人が何か行動を起こす時には、二つの要素が関係していると言われる。1つは、「ストラテジー(戦略)」であり、もう1つは、人の心を動かす「ナラティブ」である。人は、心が動いた時に、はじめて行動する。

A

 

人は、特定の価値観に基いて行動する。しかし、人がある価値観に基いて実際に行動をするには、「感情が動く」というプロセスが不可欠である。Martha Nussbaumという倫理哲学者は、「感情を経験できなければ、選択するための価値観をもてない」「感情と価値観と行動の3つは密接なつながりがある」と言っている。

 

感情と言っても色々な内容がある。行動を阻害する感情としては、無関心だったり、恐怖だったり、自己懐疑心などがある。一方、行動を促進する感情としては、怒りだったり、希望だったり、自己効力感などがある。

 

ストーリーをどう作っていくかと言うと、ストーリーには、筋と主人公とモラル(教訓)がある。一番大事なのは、筋である。例えば、私は、今日朝起きて講義の準備をして、ここに来ました。これは面白いですか? つまらないですよね。これは筋とは言えない。どうやったら面白くできるか? 

 

(会場からストーリーを出してもらい、参加型で物語をつくった。)

午後1時に起きた。電車が止まった。仕方がなく歩いていた。交通事故に巻き込まれた。そして怪我をした。負傷しながら歩いていた。トラックが来て目的地まで送ってくれることになった。15分遅刻で会場に着き、ワークショップをすることができた。

 

二つのストーリーを比較すると、後者の方が断然面白い。何故なのか。後者は、到着するまでに困難があり、それを乗り越えたから。また、登場人物が増えている。具体的なイメージが出てきて、想像しやすくなった。不確実なもの、困難なものに直面し、それを乗り越えていく部分に、人は共感する。

 

何故人は、物語に引きこまれていくのか? 不確実な状況を乗り越えていくという他者の経験を聴くことで、人生をより豊かにしていくネイチャーを人は持っているからではないか。人は、自分たちの未来をつくるために、主体性を発揮していくことに充実感を感じるのではないか?

B

 

では、よいプロットをつくるにはどうやったらいいのか。チャレンジ、チョイス、アウトカムの要素が重要である。

C

 

パブリックナラティブの3要素とは、まずはセルフ(私の選択)、次にUS(アス)=私たちが共有すべき価値、そして、NOW(ナウ)=今でしょ、緊急性ということ。オバマ大統領の若いころの演説の映像を見ながら、この3要素を分析していった。

(オバマ演説の映像を見た後、会場との質疑を通じて、3要素を分析した)

 

オバマは、聴衆の心に情景が思い浮かぶようなエピソードを演説の中に入れている。ディティールの描き込みが大事である。彼の演説は、セルフ、アス、ナウの3要素が見事に入っている。話をする時、順番は変えてもよい。

 

この後、パブリックナラティブの実習をした。その前にコーチングについてミニ講義あり。

 

コーチングが何故重要かと言うと、水槽で泳ぐ魚の存在を考えると分かり易い。魚は生まれてからずっと水槽の中にいるので、自分自身では、水の存在に気づくことができない。これと同様、人は、なかなか自分のことを客観的にみることが難しい。コーチングの利点は、自分でも気づかない部分を可視化し、また、自分の中に潜む生き生きとしたストーリーを相手が引き出してくれる点だ。

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実習に入る前に、参加者の一人=Yさんから、見本のプレゼンをしていただいた。その後、まず、5分間で個々人のパブリックナラティブをつくり、隣に座っている人に2分間で自分のストーリーを語った。その後、相手からコーチングを受けた。ここで選手交代し、同じことを繰り返した。

 

2分間で、自分の価値観をわかり易く伝えること。また、相手の心に具体的な情景が浮かぶように語ることは、非常に難しかった。米国のように、小さい頃からスピーチの訓練を受ける機会のない日本人には、パブリックナラティブの創作は予想以上に難しい作業だった。

 

今回は、コミュニティオーガナイジングの5つのプロセスのうち、パブリックナラティブの入門編のみの体験だった。今月の中旬には、2日間かけての本格的なワークショップが開催される予定だが、すでに満員御礼とのこと。また機会があれば、鎌田さんのワークショップに参加したい。


 

2013年3月 4日 (月)

「コミュニティカフェフォーラムin横浜2013」参加メモ

「コミュニティカフェフォーラムin横浜2013~サロン・カフェなど『場』を持ちたい人集まれ~」に参加してきた。
★詳細は以下のURLで
http://www.e-etown.com/sb/seminar/2012_3.html

●日時:2013年3月2日(土)13:30~16:00
●場所:mass × mass 関内フューチャーセンター
●内容

■SB学びの成果
ソーシャルビジネス起業家セミナー受講生
・『ハートフル・ポート(仮)』五味真紀氏
・『大倉山おへそ』松江川直子氏
■Fresh!事例発表
・キッズカフェ『cafe Perch』 田中聖子氏
■トークセッション
・『52Bar(ゴーツバー)』 三浦大紀氏
シマネプロモーション代表/NPO法人てごねっと石見地域プロデューサー
・『コミュニティカフェまめり』 有北いくこ氏
NPO法人ままとんきっずの理事長として20年の子育て支援活動の実践者。
■コーディネーター:
・治田友香氏 (公益財団法人起業家支援財団事務局長/関内イノベーションイニシアティブ株式会社取締役)
・齋藤 保氏(株式会社イータウン代表取締役)

【ブログ運営者の感想】
・理念(まちづくり、居場所など)と経営の持続性(収益化)のバランスが大切。理念だけでは継続しないし、収益ばかりに目を奪われると理念が失われる。
・周到で緻密な計画と、出たとこ勝負という柔軟さの両方が必要。
・自身の「弱さ」を見せつつ、周囲に協力者を増やしていく「巻き込み力」が重要。カフェまめりの有北さん、52Barの三浦さん、ともにお上手。
・「想い」から出発し、それを丁寧に周りと共有することが大切。
・収益よりも「社会的弱者の居場所づくり」を優先する有北さんの理念に共感。
・できない理由探しよりも、あるモノ探し(宝発見)をしよう。
・利用者を「お客」でなく、「共に生きる仲間」と見る眼差しの重要性(この辺は、NPM(新しい公共経営)の市民を「顧客」と捉える考え方との関連性あり)
・ソーシャルビジネスは、最近浮上してきた新しいビジネストレンドのように見られがちだが、元来、一般のビジネスも創業者の「想い」から出発しているのではないか?

以下はメモの内容
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第1部 ソーシャルビジネス成果発表

1,五味真紀さん、ハートフル・ポート(仮)

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★目指すもの
・旭区希望が丘の一軒家を改装して、コミュニティ・スペースとつくる。
・目指すもの。それは、かつて家族が果たしていた役割を、家族をこえた「地域家族」として担う場をつくること。
・こどもから高齢者までがひとつの家族のように過ごす場。
・いたわり合い、学び合い、助け合える関係作りをする。

★事業の構想(3本柱)
①学び(○○塾)~楽しく学べる場
・活き活きシニア塾、
・ミドル・エイジ塾
・ワイワイキッズ塾など
②交わり~楽しく集える場
・café mi-go(自由に読書OK)
・BAR mi-go
・ミニコンサート
・画廊
・ミニ情報誌の発行
③商い~楽しくビジネスできる場
・小箱ショップ的なもの
・レンタルスペース→イベント等に使ってもらう
・英語教室(週2回)

★事業効果
・直接的効果としては、仲間づくり、高齢者のひきこもり防止、才能の開花の場、異年齢交流、文化的感動
・間接的効果としては、顔の見える関係、信頼関係・助け合い、災害時の協力、活気ある地域づくり

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★地域資源マップ
・人の動き、お金の動き、情報の動き等を線で結んでみた。地元で自治会役員しているので、ある程度人のつながりはある。また、WFPに所属しているので、国際交流の活動もしてみたい。

★事業推進にあたり大切にすること
・互いをいたわり合い、学び合い、経済的なサポートをし、ホッとできる場所になる。

★課題
ハード面としては、部屋の改装をどうするか。ソフト面としては、運営方法、収入確保の方法、事業への巻き込み方、担い手ボランティアの育成など。

★質疑応答

(斉藤さん)
何故活動を始めようと思ったか?
(五味さん)
・その家に住んでいた母が亡くなった。空いた部屋を活用して地域に貢献したい。
(斉藤さん)
地域資源マップで、人、モノ、情報という資源をマップ化できている。今後、何と何がやりとりされるのかを整理するとよい。
(斉藤さん)
ソーシャルビジネス講座で学んだことは何ですか?
(五味さん)
自分でやればよいことと、人にやってもらいたことが、自分の中で整理できたこと。
(斉藤さん)
・個人事業でやるのか、NPO的な団体にするのか。そこをはっきりさせた方がよい。
・コーディネイトのフィーはきちんと計画に盛り込むことが必要。
・もっと外を巻き込んだ方がよいが、まだ見えていない。
・旭区でコミュニティ・サロンをつくる勉強会をやったどうか。バーをやりたい人がいるのであれば、そこから人のつながりを広げていくというアプローチもある。必ずしも、今構想していることすべてを一挙に実現しなくてもいい。突破口が開けるタイミングというのがある。

●松江川直子さん(大倉山おへそ)

★『大倉山おへそ』の詳細は以下のURLで
http://www.facebook.com/okoheso

★はじめに
・大倉山は、文化的なまちで、すでに様々な団体が活動しており、「活動縁」は沢山ある。
・そうした中、私たちは、「新しい地縁」をつくりだしたいと思った。
・そして、横浜市の「ヨコハマ市民まち普請事業」に応募したところ、採択された。

★地域との関係づくり
・ハロウィンを地元商店会と協力して実施し、徐々に関係が生まれる。

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★事業所と拠点の機能
・事務局の場所としては、商店会事務所等のある振興会館の4階を利用
・機能は3つで、ふらっと立ち寄り使用、レンタルスペース使用、商店会役員会と事務局使用

★拠点による地域の変化
・商店会とは、顔の見えるお店づくり
・住民には、街を知ることで「楽しめる」「安心できる」
・地域の活動には、連携が進む。担い手の確保がしやすくなる
・その結果、「顔の見える関係性へ」「安心して暮らせる街へ」と変化していく

★質疑応答

(斉藤)
発起人はどのような人か。
(松江川)
・鈴木さん(大倉山カフェ)と、松江川さんとママ友の3人でやろうということでスタート
・場所が決まって、仕組みが決まって、仲間募集の段階にきている。
(斉藤)
ボランティア募集チラシが魅力だ。ボランティア募集にあたって留意したことは何か
(松江川)
・楽しい仲間を作ろうという意図を全面に出す。
・ボランティアとして具体的に何ができるかをチラシに盛り込む。
・チラシのデザインは、地域のデザイナーさんがプロボノとして関わってもらった。
(斉藤)
地域に入っていく時に苦労したのでは? 商店会の人との関係が変わるきっかけは?
(松江川)
・最初は、商店会の人と会うと「よそ者」がきたという見られ方をした。
・一緒に汗をかくのが大切。ハロウィンを商店会と一緒にやったことで信頼ができた。
・商店会の役員と打合せ時に、必ずミニ版ホワイトボードを持参した。ホワイトボードにメモを書き、議事録つくって、次回の会合で渡すということを繰り返した。地味だが、着実に作業をこなす姿勢が、商店会の役員に新鮮だったようだ。
(斉藤)
・信頼性と専門性の両方において説得力があったと思う。議事録を毎回つくるという事務能力の高さが相手に好印象を与えた。商店会の役員は、そこで「物事が進む」という印象をもったと思う。この団体と組むことで、課題解決につながるというイメージを商店会の人と共有できたことが大きいのではないか。

●田中聖子さん、カフェ・パーチ

★キッズカフェ『cafe Perch』の詳細は以下のURLで
http://cafeperch.web.fc2.com/

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★カフェの概要
・カフェの場所は、横浜市瀬谷区阿久和(ダイエーの隣)にある。
・イベントを沢山している。
・最初の1年は、料理をつくるだけで精一杯だった。
・毎日フリーマーケットをする(フリマに出す服をもってきてもらう)
・ダイエーが閉店になるので、駐車場を新たに借りなければと思っていたら、地主さんが駐車場を無料で貸してくれることになった。

★質疑応答

(斉藤さん)
・1年半くらい前に、僕(斉藤さん)に相談に来た。何故、カフェを始めようと思ったのか?
(田中さん)
・震災後、遠くまでは通いたくないので、自宅の近くで仕事しようと思った。最初は、子どもの見守り支援をする人を派遣する事業をしたいと漠然と考えていた。いずれにしても、人の役に立つことをしたいと思っていた。
(斉藤さん)
・これまで飲食業の経験あったのか? カフェを自営するところまで突き動かしたのは何か?
(田中さん)
・YSBスクールの受講生の多くは、優秀で行動力がある。私の場合、あれこれ考え過ぎるといつまで経っても事業がスタートできないと思ったので、まず始めてみた。失敗してもいいじゃないかと思い、スタートした。
(斉藤さん)
・一番やりたかったことは何か。おかあさんたちの「たまり場」づくりなのか。それとも田中さん自身の自己実現なのか。
(田中さん)
・周囲の環境との関わりの中で、自分の意識が変わっていく部分がある。みんなのためでもあり、自分のためでもある、というのが答えか?
(斉藤さん)
YSBスクールに通って、よかったことは何か?
(田中さん)
一緒に受講生だった岡田さんの存在が大きい。色々な点で支えてもらっている。
(治田さん)
YSBスクールの企画者として、顧客情報をきちんと管理するように田中さんにアドバイスした。
(田中さん)
顧客リストを作り、イベント等の開催時に、既存の利用者に案内ハガキを送ったところ、反応があった。顧客リストは効果があった。

(会場からの質問)
最初の立ち上げ資金はいくらか?
(田中さん)
・自己資金は600万円。銀行借入は500万円くらい。YSBからの資金が100万円。日本政策金融公庫からの融資もアプライしたが、ダメだった。そうとう練られたものでないと融資は受けられない。自分にとってはよい経験になった。
・今も、収支はトントン。親子で、2000円くらいのランチ代をいただくが、満席でも採算ラインギリギリという感じ。
(斉藤さん)
・色々なハードルの超え方があると思う。カフェを開く人の、腹一つというところがある。会場のみなさんはカフェ・パーチの料金表をみて、安くないと思ったかもしれませんが、あの料金で収支ギリギリなんです。

第2部 コミュニティ・スペース運営者の実践報告

(治田さん、司会進行)
自己紹介をすると、私のキャリアはNPO界からスタート。今は起業家支援をしている。斉藤さんとは7、8年前からの知己。YSBスクールの企画実施や、今はYSB公共未来塾という企業家支援の仕事をしている。前半は講座の受講生から発表してもらった。第2部は、コミュニティスペース運営者の経験談。

1,三浦さん(52Bar企画運営者、島根県江津市からのゲスト)

★詳細は、以下のfacbookページで
http://www.facebook.com/52Bar

Rimg0425 ★市の状況
・島根県江津市は、人口2万7千人の小さな市。
・市内には、居酒屋が数件ある。

★地域おこしに関わる経緯
・閑古鳥が鳴いている駅前の状況をどうにかしてくれと頼まれ、そこにコンサルのような形で入ることになった。
・まず、人が、駅前に戻ってくる理由を考えた。最初にやったのは、駅前商店街の42店舗の店主集め。かつて青年部だった人も、今は50代、60代になっている。元気がない。
・そこで、店主の子ども世代に呼び掛け、新たに青年部を立ち上げた。
・しかし、三浦さんは「となり町」出身なので、最初はアウェイな感じがしていた。
・まちおこしに関して、プレゼンをしたが、失敗。
・次に、商店街の人が参加する飲み会を企画する。飲みつぶれた三浦さんの姿を見て、地域の商店会のメンバーが、彼を仲間として認めるようになった。
・青年部のメンバーは多彩。理容師、焼肉屋、etc。メンバーの中に、もとバーテンダーがいることがわかり、バーを開くことになった。

・バー開設の目的は、「まず自分たちが楽しむ」こと。
・2012年9月21日オープン。最初の立ち上げ資金は、僅か10万円。
・その後、ローカル・スーパーマーケットで自作のTシャツを売って、18万円を稼ぐ。
・しかし、それでも資金が足りない。そこで、使える補助金を探す。
・島根県商業活性化提案事業という制度があることを知り、応募。無事審査をパスし、元手の資金が、60万円にふくらむ。
・この間、空き店舗物件をずっと探していた。
・20年間使っていないステンドグラスのある喫茶店があり、そこに目をつけた。
・そのオーナーのおばあちゃんにところに話をするが、シャットアウト。
・その後、おばあちゃんの娘さんのところに通いつめる。
・何度も足を運ぶうちに関係ができ、最後は、口説き落しに成功する。

・喫茶店をバーに改装する費用は40万円くらい。
・自分たちので空き時間を利用して、床のカーペット張りから照明の設置まで、自分たちで改装したので、資金は40万円で収まった。

・インドカレーを週替りで出す。メンバーの一人がインドに行った経験があるので。
・カレー以外の「つまみ」は、すべて乾き物。ビールは小瓶で、生ビールはなし。
・金・土しか開店せず、営業時間も21時まで。近所のスナックのママが、営業妨害と言うので。21時以降は、近隣のスナック等を紹介する。
・客層は、20代から90代からまで幅広い。
・広報は、facebookを利用。
・店のスタッフの給料は、出していない。
・現在の収益金は、お店紹介のパンフレット作成や、別の店舗の開店準備金に充てる。
・天照大神は、なかなか姿を現さないが、現実世界が楽しいことをやっていたら、天界から外界に出てきた。楽しいことやっていると、自然と人が集まってくるという信念をもって事業を続けていく。
・人が集まるところをつくると地元の古老に話をしたら、「すでに公民館があるじゃろう」と言われ、困ったことがある。カフェの意味を伝えることは案外むずかしい。

2,有北さん(コミュニティ・カフェまめり代表)

★設立経緯等
・20年以上、川崎で「ままとんきっず」という子育て支援事業をしてきた。
・還暦を迎える年になり、いつまでも老害をまきちらすのではなく、若い世代に子育て支援は譲り、自分は違うことをしようと思った。「ままとんきっず」時代もやりたかったが、やれなかった。そして、NPO法人「まめな人生」を立ち上げた。
・年間、20くらいの事業をこなしている。スタッフは、ボランティアを含めると60人くらい。

・「コミュニティカフェまめり」の詳細は、以下のブログで
http://d.hatena.ne.jp/mamenajinsei/

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・これが、「まめな人生」事業の全体構想。人が集まる。話ができる。お互いを助けあう関係が生まれる。
・店舗(12坪)としてスタート。
・夜も開店したいが、体力がなく、できない。スタッフがいれば、やりたいが…。

・メニューは、カレー、ナポリタン、ハヤシライス、ケーキ、サンドイッチ、クッキー
・お誕生日会を実施。その時に、写真をとる。葬式時の遺影になるという話をする人もいる(笑)。
・コンサート、バザー(月1回)、ギャラリー、各種交流事業を実施。
・「まめな人生通信」を5000部刷って4000部地域に配る。店に来る人は、シニアが多いから。Facebook世代が少ないので、紙媒体がよい。通信は、地域のボランティアがポスティングしてくれる。カフェに集まる人を、事業展開の「地域資源」にしている。
・2月23日にマンションの上層階から水漏れがあった。この日は交流会を予定していたので、水漏れの処理をしながら、交流会を開催。水漏れは、午前11時から夜まで続いた。
・収支構造は、厳しい。カフェの家賃を出すのがやっと。
・人件費としては、有償ボランティアレベル。中間就労という勤務形態。それ以外に助っ人として、シニアが手伝いに来てくれている。

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★質疑応答

(治田さん)
場づくりをするにあたって、こころがけていることは?

(三浦さん)
・あとづけだが、「52」という数字(言葉遊び)。できるだけ多くの人を巻き込むことが大切。コミュニケーションが大事。
(有北さん)
参加の敷居を低くすること。ドリンク200円、クッキー100円という価格設定。お店の側から、客を選別してはいけない。社会的弱者の存在を常に考えている。気軽に入ってきてほしい。
(治田さん)
収益化の仕組みを教えてください。
(有北)
月家賃10万円とスタッフ人件費がかかる。会員はお金だけでなく、運営上の役割を担う人もいる。
(三浦さん)
月家賃20万円。通算で100万円程度収益がでている(スタッフ人件費は払っていない)。写真展企画がもちあがった。メンバーの中にプロの写真家がいる。写真を展示するには照明が暗すぎるので、照明設備を変える必要があった。収益の一部は照明の設備工事に使った。また、クーラー設置の代金にも使った。
(治田さん)
週末の営業だけで、よくそれだけ儲かりますね。
(三浦さん)
・週末営業という時間を限定しているからこそ、収益が出る。
・広報に関しては、facbookだけではダメだと感じている。2000部の紙メディアをつくっている。
・ソトコトなどのマス・メディアを活用することも大事。大手の雑誌等に取り上げてもらことで、近隣の地区や県外からもお客がくる。
・また、雑誌記事をスナックのママに見せて、信用力を高めることもしている。
(治田さん)
行政のサポートやお金以外の支援はあるのか?
(有北さん)
・立ち上げ資金として、YSBから300万円の提供を受けた。40万円は自己資金。キッチン改装費にも結構かかる。
・残りは、寄付を募った。「あずき」は300円。「大豆」は5000円というように。
・また、多摩区の協働事業に応募して、資金提供も受けた。多摩区の協働事業は、資金以外に、広報協力もしてもらっている。行政の広報協力は効果があったと思う。
・日頃から、区役所や市役所に味方をつくっている。
(三浦さん)
一般に、地方の商店街は、みんなシャター通り。行政から資金提供を受けることに慣れすぎている。応援してもらう側が、金がないとできないというスタンス。助成金は必要だが、まずは、「自分たちで稼ぐこと」が大事。足りない時は、メンバーが出資するという発想が必要だと思う。まずは売り上げ、収益が出たら、回収するという発想。収益の連鎖をつくるということ。

●会場からの質問

(松浦さん、金沢区)
「まめり」では、小箱ショップをどう運営しているか。
(有北さん)
・1ヶ月2000円を払って棚を利用するのが原則。しかし、実際は売れないモノも多い。
・そこで、売れたら20%もらうという方式を生み出す。1ヶ月定額制と売上20%という、2種類の出展方法から選択できるようにした。
・非常にゆるくやっている。棚が常時埋まっているわけではない。
・コンサートするとCDを置いていくアーティストが多い。売れたら連絡するという感じ。

(YSB卒業生、社協ボランティア・コーディネーター)
有北さんに聞きたい。「まめり」は、社会的弱者が気軽に立ち寄れる場だという話があった。そういう人が、カフェに来ているという実感はあるか。
(有北さん)
・実感はある。実際に来ている。精神障害の人も来ている。
・障害児の親がきた時、その人は、たまりにたまった思いを1時間ずっと話していた。
・子育て支援センターにいけない親子もいる。交流会の時に、虐待を受けている子がいることがわかり、偶然、その場に児相スタッフがいたので、すぐに解決に動いた。
・また、90歳の人が杖をついて来てくれる。

(治田さん)
これからの展望をお聞かせください。
(有北さん)
・まず継続すること。収益上げ、経済的な基盤を固めていくこと。
・地域のシニアで、余力のある人を巻き込んでいく。
・自分事と他人事の二つがある。自分事に熱心な人が多い。もうちょっと他人事にも関心をもって欲しい。10%でいいので、他人事に自分の時間を割いてほしい。それが、「まめ」チカラを増やすということ。
(三浦さん)
・商店会のシニア層の意識にリーチしていくこと。仲間を集めていくこと。
・昼間の活動をどうするか考える。
・夜に外出できない人にどうアプローチするかが課題。
・収益化が課題。

●コーディネーターのコメント

(治田さん)
・YSBスクールでは、「1年以内で収益を出してください。1年以内に法人化してください」と言ってきた。それがすべてではないが、あえてプレッシャーをかけることで、背中を押すことも重要だ。

(斉藤さん)
・三浦さんの取組は、わかり易い。実際にはもっと色々ノウハウあるのではないか。
・有北さんの「まめり」。4000部のポスティングを地域の人がしてしまうところが凄い。
・「まめり」は、個人参加もあり、家族ごとの参加というスタイルがある。
・戸塚ドリームハイツの泉さんとお酒を飲んだ時に出てくる言葉は、「場があるのは大きいね」ということ。

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・3年前からこの図を使っている。想い、共有、学び、試行、評価、想いというサイクルを回していくことが必要。
・その場でどんなコトが起きているか。どんな「想い」でその場を運営しているのかが大事。気持が大事。
・届けたい相手と何を分かち合っているか。互いに考えることが必要。
・まずはやってみること。地域全体で、地域をよくすることが大事。

2013年2月28日 (木)

地域内分権組織って何だ?

地域内分権組織に関する情報収集から
 2013年2月26日、横須賀市役所(都市政策研究所、市民生活課)で、地域内分権組織についてヒアリングをしてきた。やっぱり、現場の人の話は参考になる。この日は、都市政策研究所の研究員とともに、実際に「地域運営協議会」を担当している市民生活課のスタッフの方にもお話を伺った。
 今、地域内分権組織は、住民自治の仕組みとして注目されている。神奈川県内では、相模原市、横須賀市、逗子市、平塚市で導入(モデル事業)が進んでいる。藤沢市については、市長の交代により見直しが検討されているようだ。

【定義】-『よこすか白書2011』p.3より引用
地域内分権組織とは、基礎自治体内を合併前の旧市町村、中学校区、小学校区、支所、連合町内会などのいくつかの区域に分け、各区域に地域住民を構成員とした組織を設置して、住民自治を推進する仕組みである。また、組織の形態を分けると大きく4つに分類することができる。
 1つ目は、自治体が条例や要綱に基づき独自に分権組織を設置する場合である。設置区域は支所、連合町内会、中学校区、小学校区など市町村によって異なる。これを便宜上、独自型と呼ぶ。本市の取り組みはここに位置付けられる。
 2つ目は、地方自治法(地方自治法202条)に基づき市町村が定める区域に地域自治区を設置する場合で、地域自治区には地域協議会が置かれる。これを便宜上、一般地域自治区型と呼ぶ。
 3つ目は、合併特例法(合併特例法23条)に基づき旧市町村を単位とする区域に地域自治区を設置する場合で、地域自治区には地域協議会が置かれる。これを便宜上、合併地域自治区型と呼ぶ。
 4つ目は、合併特例法(合併特例法26条)に基づき旧市町村を単位とする区域に合併特例区を設置する場合で、合併特例区には合併特例区協議会が置かれる。これを便宜上、合併特例区型と呼ぶ。

「先行市から学ぶ地域内分権組織の現状と課題」の詳細については、『よこすか白書2011』にまとめられているので、この分野に関心のある方は、ぜひダウンロードしてみてください。http://www.city.yokosuka.kanagawa.jp/0110/upi/jouhou/documents/hakusyo_2011.pdf

ヒアリングの中で感じたことを少々メモしてみると…

【研究員から】
・現市長のマニュフェストの中に「地域運営会議の設置」という項目があり、施策づくりの参考とするために、「地域内分権組織」に関する調査研究をすることになった。
・調査研究の情報収集にあたっては、日本都市センターや自治総合センターの報告書等を参考にした。
・横須賀市の調査では、「民主的正当性、予算、事業」の3つの視点から分析をした。
・同じ「地域内分権組織」という名称を使っていても、その内実は相当バラエティがある。
・習志野市では、行政の担当者が地域内分権組織の事務局を務めている。
・地域内住民間の合意形成にあたり、コアメンバーと総会という2層構造になっている自治体がある。
・誰がステークホルダーなのかという点については、市町村によってバラつきがある。

【感想】
・住民ごとに持っている情報や課題意識が異なるので、住民間で議論の前提となる共通の土俵をつくるために、都市マスタープランづくりの前段階の地域別プランを参加型でつくるなどの仕組みが必要。都市マス以外にも、地域福祉計画づくりなどが有効かも。
・地域内分権組織の事務局を誰が担うのかというのも重要なポイント。コーディネーターの力量によって、地域力に差が出てくる。横須賀市の場合は、行政センターの職員(館長も含む)が、事務局を担う仕組み。
・平塚市の「地域自治推進モデル事業」も、「地域内分権組織」に分類できると思うが、平塚市の場合は、公民館が事業協力する重要なプレイヤーとして制度設計されている。現市長が、かつて公民館主事をされていたという経験が、事業モデル構築にあたり影響を与えた可能性があると思われる。ただし、公民館がまちづくりに貢献する度合いは、市町村ごとに温度差があり、平塚市モデルが、他の自治体に応用できるとは限らない。むしろ、公民館職員の専門性が希薄化し、コミセンへの移行が進む現状では、平塚市のモデルはレアケースと考える方がよいのではないか。市町村ごとに社会資源が違うのだから、どのような仕組みをつくるかは地域ごとに考えていくしかない。近道はないのだ。

【市民生活課から】
・横須賀市の場合、「地域運営協議会」は、原則として行政センターを一つの単位としている。中学校区よりもさらに広い範囲が対象となる。
・横須賀市では、2013年1月末現在、6地区の「地域運営協議会」が立ち上がっている。
・地区ごとに、協議会の構成団体や事業内容は異なる。
・浦賀地区の場合は、高齢者の見守り隊の活動や古井戸の再生によるコミュニティ再生などに取り組んでいる。なお、古井戸の再生によるコミュニティ再生は、防災まちづくりとも密接に関係している。
・追浜地区は、ボラセンいきいきサロンと追浜マラソンなどの事業に取り組んでいる。
・他の地区は、昨年から今年にかけて立ち上がったばかりで、具体的な事業はこれから。
・本庁地区(市役所のある中心部)は、あらゆる政策分野において、市役所が直営で地域と関係をもってきた関係で、分野を横断するネットワークがなく、それを構築していくのが今後の課題。「地域運営協議会」の設置は最後になるかもしれない。
・現在立ち上がっている「地域運営協議会」の中にはPTAが入っていない。今後の課題である。
・今後、NPO的な組織がどのような形で「地域運営協議会」に関与できるのかを探ることが課題である。

【感想】
・地縁組織と志縁組織(NPO的なもの)が、どのように地域内分権組織に関わるかが今後の課題。
・議会と「地域運営協議会」の棲み分け・連携については、充分な検討が必要。
・一番の課題は、地縁組織が個々に思い描く地域課題を、それぞれが主張しあう場になってしまうとこと。地域には様々な課題があり、まずはそれらを可視化し、異なる組織間で地域課題を共有することが必要だし、同時に、社会資源の可視化(宝探し)も重要だと思う。課題と資源の双方がステークホルダー全体に「見える化」され、それを共通の土俵として、対話をする場づくりが求められると思う。

●今後の展望(もどき)

・地域の社会資源と地域課題双方の可視化の仕組みづくり(地元学などの手法の導入)
・対話の場づくりのコーディネイトの仕組み(声の大きい人が支配するのではないように)
・声を上げられない人(社会的弱者)のニーズを反映する参加のデザイン(外国人住民、ひきこもり等)
・市民性を育む仕掛け(シティズンシップ教育、地域計画プラン作成への市民の参画)
・場をコーディネイトする人材の育成・配置(コミュニティ・ファシリテーター、コミュニティ・ソーシャルワーカー)
・コミュニティ・シンクタンクの設置・運営
・シヴィル・ミニマムの策定(公共サービスの水準策定)と地域内分権組織の守備範囲の線引きに関する対話の必要性
・志縁組織(NPO、コミュニティ・ビジネス)と地縁組織の対話・連携のデザイン
・既存の公的機関(社会福祉協議会や社会教育施設・文化施設)の機能の再検討(歴史民俗博物館や市政図書館的な場を人々の対話を創発する社会装置として再生していくようなビジョンが必要))→コモンズ(地域情報・地域資源)を集積する機能をもっているのが、ミュージアムなどであるから)

●最後に

「地域運営協議会」のあり方を考えるうえで、ぜひ検討して欲しいのは、自治体とNPO等との協働事業をめぐる現状がどうなっているかの分析・検証である。マルチステイクホルダーによる自治の仕組みづくりの前に、二者(自治体とNPO)の協働が、理想的に運用できていたのか否かをつぶさに見る必要があるのではないかと思う。英国のLSPも、年代ごとに仕組みを変化させている様子が下記の報告書でわかるが、キモは、地域のパートナーシップ組織のコーディネーションの巧拙にかかっているように思える。二者のパートナシップを有効に機能させる知恵を共有していない段階で、マルチステークホルダーによる合意形成の仕組みづくりに着手することはリスクもあるのではないか(人は実践の中で学ぶので、不作為が正しいという意味ではないのですが…)。
http://www.eng.kagawa-u.ac.jp/~doi/lab/work-PDF/(5)/5-2.pdf

机上で最善のプランを練るという発想ではなく、アクション・リサーチのように、創りながら壊し、また創るという、組織自体が自己変容する仕掛けが必要ではないかと思う。それには、制度設計の精密さよりも、場をつくる「人」の思いとデザイン力がより重要な気がする。

2012年1月11日 (水)

市民活動ガイド(電子出版)のお知らせ

横浜で市民メディア活動をしてきた仲間と一緒に、市民活動ガイドブックを電子出版しました。電子出版は初めての経験です。発行は、「みんなでつくる市民活動ガイドを育てる会」。499円と手ごろな値段でお買い求めいただけるので、ぜひダウンロードしてみてください。

http://p.booklog.jp/book/15637

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●出版解説

市民活動をする時に遭遇するかもしれないさまざまな問題についての対応方法を一冊の本にまとめてみました。本書の通奏低音となっているのは2009年1月に急逝された横浜の若き市民活動家・原聡一郎さんへの思いです。原さんは有能なファシリテーターでした。問題はどう発生し、それにどう対処してきたかをチェックしながら、常に現実的に市民活動の現場をまとめる人でした。そんな原さんのことを思い浮かべながら、NPO設立の方法から、活動マネジメントにいたるまで、市民活動の実際をまとめてみました。きっかけとなったのは「故・原聡一郎さんを偲ぶ会」。原さんと過ごした経験や知恵を記録し、さらに育てようということから本書が生まれました。この本が市民活動の現場で活躍される方々の参考になれば幸いです。       

2011年12月15日 (木)

地域メディアをテーマとする共著を出しました

このほど、知人との共著、『パブリックコミュニケーションの世界』が出版されました。

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地域メディアが地域社会に及ぼす影響について、具体的な事例を交えて書きました。

この本では、多言語メディア、地域ポータルサイト、地域SNS、地域デジタルアーカイブなどを取り上げました。昨今流行のソーシャルメディアの動きは速く、僕自身、十分に使いこなせていないこともあって、TwitterやFacebookについては、ほとんど言及できませんでした(;´д`)トホホ…。

僕はこの本の中で、情報伝達における「人」の役割の重要性を強調しました。在住外国人支援を長年続ける知人曰く、「ぬくもりのある人間関係の中でしか、情報は伝わらない」。

ICTを上手に使って地域情報を届ける仕組みを創出するのと同時に、互いの「声」に耳を傾け、思いを共有する場(パブリックスペース)のデザインの在り方についても考えたい。そんなあなたに、お勧めなのが、この一冊(あ、宣伝文句みたいι(´Д`υ)アセアセ)。

詳しくは、以下のURLを参照してください。

http://www.hokuju.jp/books/view.cgi?cmd=dp&num=791&Tfile=Data

2011年5月 5日 (木)

「かながわ東日本大震災ボランティアステーション」ボランティア説明会

今日は、「かながわ東日本大震災ボランティアステーション」主催のボランティア説明会に参加した。会場には100人を超える参加者がつめかけ、熱心に主催者の話を聞いていた。

主催者の説明によれば、被災地でのボランティアのほかに、神奈川県内でのボランティア関連情報の入力など、様々な作業があり、まだまだ人手不足とのことだった。

ボランティアステーションの詳細は、以下をを参照してください。

http://ksvn.jp/

説明会の後、現在「震災ボラ」事務局で活動している、U氏、S氏、M氏と雑談。事務局で、以前オーマイニュース日本の事務局をされていたT氏に再会。T氏は現在、震災ボランティア関連の仕事をしている、とのこと。

震災を契機に、「何かボランティアをしたい」「社会とかかわりたい」と思う人が増えている(というより、「顕在化した」という方が実態に近いか?)ことを実感する一日だった。